Project Story #5

映画館を救え

紙上 舞百合

リクルーティング事業部

SCROLL

映画館の入場者数は、
2000年代半ばから台頭してきた
動画配信サービスに押され、減少傾向にある。
業界を牽引する
シネマコンプレックス大手・E社は、
現状を打破するべく
新たな取り組みを画策していた。

1

遥かなる、想い。

企業が人を採用する背景には、実現したいヴィジョンや社会への想いがある。その想いを理解することこそ、採用支援を行う上で最も重要だと、紙上は考えている。「中途採用に関する提案が欲しい」。E社からクイックに電話が入り、担当となった紙上はE社との商談の冒頭で、いつものようにヴィジョンを尋ねた。映画館を敢えて“劇場”と呼び、ただ映画を「観る」場所ではなく、映画館そのものを「体験する」楽しみ、いわばテーマパーク的な場所として定義し、娯楽要素を強調していくことで、もう一度人々を映画館に呼び込みたい。それがE社の想いであった。

実現すれば、これからのシネマコンプレックス経営の指標となり、映画産業の隆盛へと繋がるはず。強く共感した紙上だったが、ひとつ疑問があった。

2

採用した人が、辞めていく。

映画やゲーム、スポーツ、音楽関連といった趣味嗜好に関わるエンターテインメント業界は、就転職マーケットにおいて不動の人気がある。なのになぜE社は中途採用に関する提案が欲しい、と言うのだろうか。実際E社では、他社を利用してこれまで毎年30名近い採用に成功していた。

「採用した人の多くが、僅か数年で辞めているんです」E社の人事担当者はそう言った。何人採用しても定着しなければ、社員数が増えることはない。いわゆる「採用のミスマッチ」である。E社が必要としていたのは、劇場マネージャーという職種。スタッフの教育・マネジメントを担当するだけでなく、広報部が立案したイベント企画を現場で展開する。まさに映画館をテーマパーク化する上で欠かすことのできないポジションだった。

3

狙うべき、ターゲット。

これまでE社が掲載してきた採用広告は、映画好き、エンタメ好きなターゲットに“映画館の華やかなイメージ”をアピールしたものだった。しかし実際は、裏方に徹する仕事。現役の劇場マネージャーにヒアリングを行うと、そんな華やかなイメージよりも、観客や部下といった“誰かのために働く”ことにやりがいを見いだしている人が大半だった。

広告と現実とのギャップがミスマッチの原因だと結論づけた紙上は、デザインもコピーも華やかさを排した、シンプルで真摯な広告を提案する。「スタッフが楽しく働けるように、来場者に楽しんでもらうために、何ができるか。裏方としての配慮や苦労を淡々と語る広告を作りましょう。その方が、映画館自体で人を楽しませようとするE社のヴィジョンに共感する方に届く広告になると思うんです!」

4

ひとつの採用広告で、
業界全体が変わる。

その広告は、一度の掲載で年間採用目標の半数を充足させるという大きな結果を生んだ。
現在、紙上は採用広告に留まらず、E社の採用HPの企画・ディレクションをはじめとする、同社の採用ブランディング全般を一任されている。
紙上の狙い通り、仕事のスタンスそのものに共感して集まった人材がE社に定着。離職の波は止み、サービスの向上や劇場毎の独自イベントの実施など、映画鑑賞を中核とした“体験を楽しむ”スタイルが確立されつつある。

E社の取り組みは他のシネマコンプレックスにも伝播し、同様の取り組みをはじめる映画館が増え出した。停滞していた映画館業界が再び動き出す。映画を観るだけの場所から、テーマパーク的な場所へ。そんな映画館業界の変革の第一歩が、ひとつの採用広告からスタートしたのだ。紙上は、採用広告の力を信じている。

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