Project Story 03 人材紹介事業本部

医療の地域格差解消にむけて。
『看護roo!』九州・沖縄エリアの強化・拡大へ。

クイックが展開している看護師の人材紹介事業。『看護roo!転職サポート』(以下、看護roo!)と銘打って展開している本事業は、現在、サービス展開エリアの拡大を図り、「九州・沖縄エリア」を強化・拡大しています。現場を見続けてきた一人のコンサルタント・森の想い、そしてエリア拡大の軌跡をたどります。

INDEX
エリア拡大を通じて見えた、医療業界の課題
クイックならではのスタイルで、地域医療へ寄り添い抜く
日本の未来を支えるパートナーとして

PROJECT MEMBER

  • 人材紹介事業本部
    マネージャー
    2012年新卒入社
    森裕作

STORY 01 / 03 エリア拡大を通じて見えた、医療業界の課題

「こんなにも、地域格差があるものなのか…」

2021年に、九州・沖縄エリアの看護師の転職・中途採用支援の責任者を任された森は、赴任当初愕然としたという。看護師の転職・中途採用支援の全国展開を目指すクイックにとって、九州エリアのさらなる拡大は、なんとしても成し遂げたい目標。そこで、それまで首都圏を牽引してきた森に声がかかったのだが、長年首都圏を見てきた森にとって、九州エリアの看護師の就労環境は厳しいものに映った。

「首都圏においては、看護師さんの転職先は病院・クリニック・訪問看護施設・介護施設など数多くの選択肢があります。どの職場も患者さんの命を預かるという責任感に変わりはありませんが、看護師さんは個々人のライフスタイルや希望に合わせて、働きたい職場を選べるんです」

ところが九州エリアの場合は、転職先の選択肢として病院の割合が極端に高いのが現状。「これじゃあ看護師さんは選びたくても選べません。もっと看護師さんの人生の選択肢を増やしたいというのが率直な想いでした」

また看護師の選択肢の少なさは、そのまま患者の選択肢の少なさにもつながる。「西日本、とりわけ九州地方では在宅医療が進んでいません。こうしたエリアでは、患者が住み慣れた自宅での療養生活を願っても、入院するしか選択肢が無いんです」この現状が医療費高騰にも繋がり、各家計、更には国の財政を圧迫している。

「少子高齢化の進む日本において、在宅医療の推進は必須命題です。そのための政策も進んでいますが、私たち人材紹介会社も使命感を持って看護師採用に苦戦している地方の在宅医療機関をサポートする、そして看護師さんに病院以外への転職も提案する。このことが医療の地域格差の改善にもつながると考えました」

STORY 02 / 03 クイックならではのスタイルで、地域医療へ寄り添い抜く

とは言え、広大な九州エリア。赴任当初の人員でサポートするには病院への支援だけでも手が足りない。いち早く目標を実現するために森が選んだ戦略は「選択と集中」だ。

「少ない人員を各県に散らばらせて浅く広くサポートするよりも、まずは注力エリアを限定して、早期実績に繋げる。そうして信頼を勝ち得た後に、周辺エリアにもサポートを広げる。その方が、早く大きな成果を上げられると考えました」

対象エリアを限定して、各医療機関と深い関係を築くことで見えてきたのは、クイックならでは一気通貫制の強みだ。

「クイックの場合、一人のコンサルタントが看護師さんとの面談も、病院の人事との商談も両方するので『この看護師さんと、この施設合いそうだな』といったマッチングが可能なんです」医療機関の魅力をコンサルタントが直接看護師に伝えることで、認知度の低い小規模な施設に対しても看護師を紹介することに成功した。

さらに、森がとった戦略は「若手メンバーへの権限委譲」。通常、首都圏などでは森などマネージャークラスが考えるエリアごとの戦略を、若手メンバーに任せることにした。

「正直言って、僕自身が九州・沖縄8県全部の最新状況を逐一把握して戦略を考えるには限界があります。思い切って若手メンバーに任せたことで、メンバーにも『自分が地域医療を変えていくんだ』という当事者意識が生まれました」

最初は苦戦していたメンバーたちも、見る間に表情が変わり、今では各施設の院長と病院経営さらには地域医療の未来について語るまでに成長した。

STORY 03 / 03 日本の未来を支えるパートナーとして

こうして九州エリアでの成果は飛躍的に拡大。この数年で人員も2倍に増えた。

「メンバーが増えたことで、ひとつひとつの医療機関により深く関われるようになりました」今では病院・施設の新規OPENや病院再建にあたって「力になって欲しい」と声をかけられるまでになった。時には給与制度や人事制度について相談されることもあるという。

「経営パートナーとして頼って頂けるようになったのは、嬉しいです。ですが、まだまだ志半ば。九州エリアでもまだまだ支援できていない施設がありますし、医療の地域格差は九州に限ったことではありません。47都道府県全てに私たちのサービスを展開できるまでは、歩みを止められませんね」

最後に森にその原動力を聞いた。「だって医療や介護って絶対に必要なインフラじゃないですか。私自身も妻の出産の時に助産師さんのありがたさを痛感しました。命がけで働いてくれている医療機関の方々のため、私たちも力の限りを尽くして、より豊かな未来のために貢献していきたいです」